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不況のまっただ中で元大使の本である。面白い小話に富みつつ、アイリッシュの苦難の歴史、陰惨きわまるイギリスとの関係、近年の経済的躍進から不況突入までが、わかりやすく書かれている。かなりの良書。
だが、実際のダブリンの状況は、それ以上に厳しさを増している。移民送出国から受入国へと転じたが、医療従事者は不足し、移民した看護師の多くは他国への移動を検討している。若者の失業率はきわめて高い。英語圏のオーストラリア、ニュージーランドと比較しても不況は著しい。所得は高いが、中心部のキヨスクでサンドイッチが5ユーロ近くするのはインフレに他ならない。ダブリン市民の多くが、そう考えている。特に暴騰していた不動産価格下落が、これからの行く先を示している。。。
若者向けのゲストハウスも空室が目立つ。昨年の週末は100%近かったのが、現在は50%うまらない。しかも23ユーロから16ユーロまで値下げしてもである。おおむね治安は良好だが、ダブリン中心部でも北東部の低所得者居住区は、夜間はアジア系は歩かないほうが良いと忠告された。新聞は不況に関する話題でいっぱいである。
ここダブリンの物価高は最近のロンドンやパリと比較しても著しい。基本的な食品(野菜、穀物、肉)も安くはない。EU圏で3本指に入るほど住みやすい都市とは信じられない。ダブリンは基本的な生活費が高すぎる。まさに、本書の題名どおり「アイルランドを知れば日本がわかる」、あるいはその逆に「日本を知ればアイルランドがわかる」という状態に陥りつつある。
とはい...
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